話題のAIイラスト自動生成ツールとは?エンタメ業界での事例も紹介

2022年末、人工知能(AI)研究所であるOpenAIが対話型AI「ChatGPT」を発表して以来、世界中でAIによる技術革新に注目と期待が高まっています。AI技術の中でも特にエンタテインメント分野と関連性が高いのはAIを活用したイラスト自動生成技術ではないでしょうか。この記事では今、話題のAIお絵描きツールやエンタメ業界でのAI技術の活用事例をご紹介します。エンタメ×テクノロジー分野の情報収集にお役立てください。

目次

話題のChatGPTとは?

ChatGPTは、人工知能を研究する非営利組織OpenAIが発表した対話型言語モデルを用いたAIチャットボットです。OpenAIはイーロン・マスク氏が投資していることでも知られており、2022年末の発表以来、大ブームになっています。
対話型AIは自然言語の文脈を理解する能力が高く、チャットで会話するように質問や命令を投げかけるだけでAIが回答するのが特徴です。また、ChatGPTは膨大なデータを参照したうえで、整理された文章やクリエイティブな表現をアウトプットすることができます。回答されるコンテンツが多彩で高精度であることも注目のポイントです。
同サービスは、2023年2月に有償版がリリースされ、同3月にはAPI(プログラムに他の機能を組み込むための接点)を有償で公開しました。これによりさまざまな会社がChatGPTの機能を活用したアプリケーションを開発できるようになります。

引用元:OpenAI/ChatGPTのWEBサイト

画像生成AIとは?

同様に日本では2022年末から話題を集めているのが、言葉を入力するだけで高精度な画像を生成するAI画像生成サービスです。プロンプト(prompt)と呼ばれる指示文を入力すると、AIが複数の画像を自動的に生成します。追加の指示を与えるなど、調整することでより求める画像を生成することができ、プロンプトの精度がAIイラストのクオリティを左右します。このプロンプトは日本では「呪文」とも呼ばれています。
簡単に高精度なイラストを生成できるAI画像生成サービスですが「AIが生成した画像に著作権は発生するのか」「AIが学習の過程で参照するデータの著作権に抵触していないか」など、現状では解釈やルールが整備されていないのが現実です。商用として活用されるまでにはもう少し時間がかかりそうですが、コンテンツを制作するエンタメ企業の中ではAI技術を制作に取り入れようという動きが出ています。

「Midjourney(AI画像生成プログラム) AI Art」で画像検索した結果/引用元:Google

さまざまなAIお絵描きツールの例

  • Midjourney(ミッドジャーニー/AI画像生成ブームのきっかけとなったAIプログラム)
  • Stable Diffusion(ステーブル・ディフュージョン/同上)
  • Picsart(ピクスアート/AIを搭載した写真・画像加工アプリ)
  • AIピカソ(写真をアップロードするとAIアバターを自動作成するアプリ)
  • お絵描きばりぐっどくん(LINEアカウント/Stable Diffusionを活用したLINE上のAIお絵描きツール)

エンタメ業界でのAI技術活用例

では、エンタメ業界では具体的にどのようにAI技術が活用されているのでしょうか。事例をピックアップしてご紹介します。

Netflix:画像生成AIで背景を制作した短編アニメを発表

ネットフリックスは「犬と少年」というタイトルの3分間の実験的なアニメ作品をYouTubeに公開しました。これは、ネットフリックスが東京に開設したアニメ制作の支援施設「Netflix アニメ・クリエイターズ・ベース」が主動するプロジェクトで、膨大な人手や時間のかかるアニメ制作の工程を改革する新たな制作手法を模索する試みとして行われました。
同作は、権利関係に配慮し「ネットフリックス・オリジナル作品」で学習したオリジナルAIを使用して背景画像を生成しています。スタッフクレジットには「背景デザイン:AI(+Human)」と記載されており、クリエイティブ制作の新たな領域のはじまりを予感させるものとなっています。

引用元:Twitter/Netflix Japan | ネットフリックス@NetflixJP

Wolves in the Walls:主人公のセリフをAIで作成

2019年に米・テレビ業界のアワードであるエミー賞・VR部門を受賞した「Wolves in the Walls」は、主人公の女の子のセリフのほとんどをChatGPTの前身であるGPT-3というAIで作成しています。キャラクターがユーザーの行動に合わせて反応するなど、バーチャルな世界観を表現した作品です。

引用元:YouTube/Meta Quest @MetaQuestVR/Wolves in the Walls | Oculus Quest + Rift Platforms

漫画原作者・Rootport:サイバーパンク桃太郎

漫画原作者として活躍するRootportさんがイラスト生成AI「Midjourney」を使用して捜索した漫画作品です。桃太郎をSF化した世界観とAIが生成する緻密なイラストが話題となり、時代を先がける実験的な作品としてメディアなどでも取り上げられています。

引用元:Twitter/Rootport@rootport

まとめ

ご紹介したようにAI技術を活用したエンタメコンテンツ制作の革新は急速に進んでおり、今後も映画、アニメ、ゲーム、メタバースなどの分野でAIを活用したコンテンツが話題になるのは確実だと思われます。著作権の問題などまだまだ課題もありますが、話題のAIを活用したコンテンツに注目してみるのはいかがでしょうか。

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