『進撃の巨人』ライツ担当者様に聞く!コラボ検討のポイントと期待する企画

別冊少年マガジンでの漫画連載が最終回を迎え、テレビアニメでも一段と盛り上がりを見せる『進撃の巨人』。ユニークなコラボ企画でも注目を集める同作は、どのような戦略でライセンス活用を拡大しているのでしょうか?
今回は、『進撃の巨人』のライセンス窓口をご担当する講談社のライツご担当者様に、企画検討のポイントや、コラボを希望する企業や代理店の皆さまへのメッセージをうかがいました。

©諫山創・講談社/「進撃の巨人」The Final Season製作委員会
目次

(1)海外・国内の垣根をなくすライツ部門の新しい組織体制

講談社 ライツ・メディアビジネス局様は、講談社から出版される出版物の二次利用の窓口を担当する部署です。同社では今年2月に組織変更があり、ライツ事業をより強化するような体制に進化したそうです。

講談社様:
ライツ・メディアビジネス局は2月の組織変更で、原作漫画の二次利用を担当するIPビジネス部と、アニメの二次利用を担当するアニメ・ゲーム事業部ができました。MDに関しては両部署が一体となり、時代にあった多様な二次利用に対応できる体制となりました。
当社では作品ごとに担当制をしいており、私が窓口を担当する『進撃の巨人』は、3人で二次利用に関わるすべてのプロジェクトに対応しています。『進撃の巨人』は今、漫画の連載がクライマックスを迎えており、原作版権とアニメ版権の連動が必要な場合もあるため、このような組織体制がまさに効果的に働きます。
また、新しい体制では、今まで海外事業を担当していた国際ライツ事業部との垣根もなくなりました。国内で展開する案件も、海外で展開する案件もひとつの窓口で対応できるため、国内で好評だったプロジェクトを海外に広げるなどの展開も受け入れやすくなりました。
コラボを希望する企業や代理店の方は、「この案件はどこに相談していいか」など迷ってしまうこともあると思いますが、どこに相談していただいても、内容に応じて適切な窓口をご紹介しますので、安心してご相談ください。

(2)年間20件以上のコラボを生む「進撃の巨人」、コラボ企画を検討する際に重視していること

『進撃の巨人』は、ユニークなコンセプトでたくさんのコラボプロジェクトが実施されていることでも知られています。長年『進撃の巨人』のライツ部門を担当するご担当者様に、コラボ企画を検討するうえで大切にしていることをお聞きしました。

講談社様:
『進撃の巨人』は、原作者の諫山先生がタイアップなどの企画に寛容なお考えを持っており、いろいろな人がいろいろな楽しみ方をすることで、作品が多くの人に届くことを受け入れていただいています。
『進撃の巨人』のコラボ企画には、作品のパロディなどユニークなものがたくさんありますが、作品の世界観をほんの少しずらすだけで、それがコラボパートナーのPRになることもあります。作品のファンも、コラボ先の商品に興味のある人も、両方がおもしろがってくれるような企画ができることこそ、コラボを組む意味があると思いますし、それがタイアップ企画の醍醐味だと思っています。 また、作品を好きな人が喜んでくれるような企画であることも大切にしています。日本の漫画やアニメは一見、一般化しているように見えますが、市場としてはまだまだ小さいと思っています。なので作品のファンの方々が共感してくれるような企画を打ち出せなければ、ファン以外の人の心は動かせないと思います。漫画ファン・アニメファンの壁を超えて、多くの人に興味を持っていただくためにも、人の心に残るライセンス活用を推進していかなければならないと思っています。

最近、行われた『進撃の巨人』×極楽湯・RAKU SPAキャンペーンの様子


「アニメ新シリーズのビジュアルをいち早く採用したビジュアルは、作品ファン層の評判が非常に良かったです(講談社様)」
※トキオ・ゲッツのコーディネート事例

(3)コラボパートナーは作品をよく知らなくて当たり前。作品に詳しい方も、そうでない方も安心して相談してください

『進撃の巨人』がさまざまなユニークなコラボ企画を実施していることは、コラボを実施したい企業側にも認知されていると思います。企業や広告代理店からの相談で困ったことはありますか?また、企業や代理店の方に期待することはありますか?

講談社様:
先ほど述べたように、ユニークな企画は歓迎していますが、ふざけるだけでなく、作中のキャラクターが絶対にやらないようなことはしないなどの線引きは私たちの部門でしっかり見極めるようにしています。
チームの後輩にもよく伝えるのですが、私たちは仕事柄、作品の情報をすみずみまで理解していますが、企業や代理店の皆さんが作品のことをよく理解していなかったり、解釈が間違っていたりするのは、ごく当たり前のことです。むしろ、そのようなときに、おもしろくなるようなアイディアを出したり、「できる・できない」のラインをコントロールしたりするのが、ライツ担当の役割だと考えています。そのため、コラボを提案する側の企業や代理店の皆さんにも「これくらいだったらできるかな…」という80%の企画でなく、これまでにないコンセプトやメディアミックスなど、挑戦的なアイディアをどんどんぶつけてほしいと考えています。私たちもそういったアイディアに対し、相談しやすく、柔軟な姿勢で対応したいと考えています。

(4)作品はいよいよクライマックス!今後のコンテンツ活用の展望

『進撃の巨人』は、別冊少年マガジンでの連載が5月号で最終回を迎えました。クライマックスが迫り、漫画・アニメとも一段と盛り上がる同作ですが、今後のコンテンツ活用についてはどのように考えられているのでしょうか?その展望をお聞きしました。

講談社様:
おかげさまで、アニメシリーズのシーズン1の時と同じくらいタイアップの問合せは増えています。しかし、ライツ担当としては、連載やアニメが終わるまで盛り上げ続けるのはもちろん、長く愛され続ける作品を目指すためには、作品が終わってからこそが勝負だと考えています。
だからこそ、新しくなった組織体制を活かし、コラボならではの展開にも柔軟に取り組みたいと考えています。日本国内だけでなく、海外でも展開するようなタイアップを積極的に取り組んでいきたいです。
また、私たち窓口担当の「相談しやすさ」も大切な要素だと思います。トキオ・ゲッツさんのように、作品のこだわりやファンの心理をよく理解している代理店はとてもやりやすいですが、先ほども述べたように作品に詳しくなければダメというわけではありません。柔軟な雰囲気のなかで提案を受け入れ、私たちがバランスを取っていければと考えていますので、ぜひさまざまな企画を相談してもらえればと思います。

―貴重なお話を伺わせていただき、ありがとうございました!

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